本記事は、「特許」を取得している商品の中から、10選ご紹介します。
世の中に出回っている商品で、特許を取得している商品が有ります。「特許を取得している」=「良い商品」と短絡的には言えませんが、日本の特許であれば、日本国内で誰も使った事が無い初めての発明ということになりますので、その事だけでも評価出来る商品になります。

★ロングセラーとなっている商品が多いです。
皆さんご存じの商品もあるかと思います。
ご紹介します。
★小学生特許のその後についても解説しています。
Contents
特許とは?
商品のご紹介の前に、基礎知識の共有として、「特許」について簡潔にご説明します。
「特許」とは、特許法によって特許権をあたえることであり、「特許権」とは、特許を受けた「発明」について一定期間独占的に業として実施(使用・譲渡など)できる権利です。
・創作により自然に発生する著作権とは異なり、特許権を得るには出願及び設定登録が必要です。
・特許権を取得すると、特許発明が独占的に利用できるのに加えて、他社に特許発明の利用を許諾してライセンス収入を得られるなど、大きな利益を獲得できる可能性があります。
⇒これにより、取得者の許諾を受けずに同じ技術を使った商品を開発する事は出来なくなります。
但し、特許の有効期限は、特許出願の日から20年までと定められていますので、それを過ぎたら他の方でも同じ技術を使う事が可能になります。
・特許出願は早い者勝ち(先願主義)なので、革新的な発明をした際には、早めに特許出願の準備に着手しましょう。特許取得商品について調べて見ましたので一部ご紹介します。
特許取得商品10選!
特許を取得している商品は色々ありますが、一部についてご紹介します。
小学6年女児アルミ缶とスチール缶を自動分別するごみ箱
まずは、世間を驚かせたこの特許から!
皆さん覚えていますか?
2015年10月のニュース。
★小学6年女児、「アルミ缶とスチール缶を自動分別するごみ箱で特許取得!」★
小学6年の女子児童が、投入した空き缶を、磁石の利用でスチール缶とアルミ缶を自動分別するごみ箱を開発し、特許を取得したことが話題になりました。最年少特許保持者となりました。
この特許「発明の名称:空き缶分別箱」は、2014年12月8日に出願され、2015年8月14日に特許第5792881号として登録となりました。
この構造のごみ箱を作ったきっかけは、昨年の夏休みの課題として出された自由研究で、祖父がスーパーを営んでいて、自動販売機のごみ箱のスチール缶とアルミ缶を仕分けするのを見て、着想を得たとのことです。
大変驚きました!
発明した空き缶分別箱の仕組み
・ごみ箱はプラスチック板などを組み合わせた直方体で高さ約90センチ。
・内部に仕切りがあり、スチール缶入れとアルミ缶入れに分かれている。
・投入口はアルミ缶入れの真上に設けた。アルミ缶はそのまま真下に落ちるが、スチール缶は磁石の力で反対側に落ちる仕組み。
全てホームセンターで手に入る安価なもので作ったとのこと。企業が多額のお金と長い年月を掛けて研究開発するアプローチと比べると、お金と時間ではないクリエイティブな発想が大切と感じます。
発明をしようとしたきっかけ
小学校5年のときの夏休みの自由研究の作品との事。
スーパーの経営者である神谷明日香ちゃんのおじいさんが、
毎日、ごみばこからアルミ缶とスチール缶を一生懸命、分別している姿を見ていました。
そんなおじいさんの作業を楽にしてあげたいとの思いで、ごみ箱作りを始めたとのことです。
おじいさん想いの優しいお子さんの気持ちが発明に繋がったのですね凄い!
小学生発明者の神谷明日香さんのその後
発明の特許を取った「神谷明日香」さんは、その後どうしたんだろう?と思い調べてみました。
なんと彼女は中学生で会社の社長になっていました!
■2017年9月 株式会社やくにたつもの、つくろう (設立)
■2022/7/4、産学連携プロジェクトで中学生が考案し特許を取得した新商品「脱着式袴SUZUKA」を発売しました。
しかし、その後‥。
■2023/08/14 「発明の名称:空き缶分別箱」の特許権消滅
■2025/02/03 株式会社やくにたつもの、つくろう (閉鎖)
となっています。
以下の経済産業省の情報では、閉鎖理由は「合併による解散等」となっています。
やはり、技術者と経営者という厳しい壁が有ったのでしょうか‥?。
「神谷明日香」さん、素晴らしい発想を持った方ですので、今後の動向に注目です。
法人番号:1180301030768
法人名:株式会社やくにたつもの,つくろう(閉鎖)
法人名本店所在地:愛知県安城市和泉町上之切108番地1
登記記録の閉鎖等の事由:合併による解散等
登記記録の閉鎖等年月日:2025年02月03日
引用:経済産業省 gBizINFO(ジービズインフォ)
皆が知っている「カップヌードル」
日清食品の「カップヌードル」。この商品を知らない方はいらっしゃらないのではないでしょうか?
そして、一度は食べた事があるのではないでしょうか?
従来は袋入り即席麺でしたが、カップ入りでお湯を注ぐだけで食べられる世界初のカップ麺として誕生しました。
1971年に発売され、画期的なインスタント麺として若者の間で大人気になりました。
1972年に起きた、長野県のあさま山荘事件では、2月の寒い中、待機中の機動隊員にカップヌードルが支給され食べる姿が全国放送されたことで、飛躍的に知名度が高まり、大ブームとなりました。
それまでは、ラーメンは箸で食べるという認識を、フォークで食べられる雰囲気にした点も、欧米をはじめとした世界各国に広く受け入れられ、現在では世界中でカップヌードルが食べられています。
カップヌードルの特許について
カップヌードルは、1975年に特許「容器付きスナック麺の製造法」を取得しています。
カップの中で麺を宙吊りにすることで、お湯が麺全体に行き渡り、3分という短い時間でも全ての麺が食べられる状態になるという技術です。
すでに特許の期限は切れているため、多くの企業がこちらの発明をもとにカップ麺を開発しています。
カップヌードルは、世界初のカップ麺で、ロングセラー商品です。時代とともに多様化によって、さまざまな風味の商品や「ミニ」「BIG」などの異なるサイズの商品も発売されています。

ソフトキャンディ「ハイチュウ」
キャッチフレーズ通り、果汁のジューシーな味わいと絶妙な噛み心地がクセになるソフトキャンディ菓子です。
1975年に販売開始され、ソフトでありながらチューイング性があり、歯につかない〞という新しさで、大ヒット。ロングセラー商品となっています。
ハイチュウの開発時のコンセプトは「食べられるチューインガム」。まさに、ガムみたいに噛み応えですね。
ハイチュウの特許について
砂糖の結晶化の調整と水分バランスと空気をつぶさずに生地に含ませるという技術を確立し、専用装置も開発することで求めるチューイング性に到達。製造技術と専用装置の両方で特許を取得しています。
出願人は「森永製菓株式会社」、発明名称は「ソフトキャンディ及びその製造方法」です。

ダニをブロック!「完全防ダニ対策カバー
アクトインテリア株式会社から販売されている、布団カバーの「完全防ダニ対策カバー」。
商品そのもので特許を取得しています。発明名称は「カバー部材」です。
従来のファスナーで閉じるタイプのカバーと違って、ジップロックのようなシールチャックとファスナーの二重チャックを設けることにより、ダニの侵入を遮断しています。
また、カバーの生地もダニの通過を防ぐ素材で作られています。
次世代型シャープペンシル「クルトガ」芯が自動で回り続ける!
・従来のシャープペンシルは、文字を書き続けると、芯が偏った方向に削れてしまうため、線の太さが変わったり、突然芯が折れてしまったりしすることが有ります。
・それまでのシャープペンシルの欠点であった「使っているうちに字が太る」「片側に尖っている状態だと芯がいきなり折れてその粉が手や紙を汚す」といった偏減りを解消するために「自動芯回転機構”クルトガエンジン”」を搭載し、芯が常に鋭角に、均一な太さで線が書けるように工夫されたシャープペンシルです。
・クルトガは、2008年に発売されましたので、ロングセラー商品です。学生には欠かせませんね。
クルトガは2つの特許を取得しています
そんなクルトガですが、開発初期と改良時に2つの特許を取得しています。
出願者は三菱鉛筆株式会社、発明名称は「シャープペンシル」です
クルトガ独自の機能である自動芯回転機構「クルトガエンジン」。
芯を1角で9度、40角で一周させることで、書くたびに芯を鋭角に、均一な線の太さを保ち続けます。
この自動芯回転機構は、回転部分を視認できる技術など、数十件に及ぶ関連特許も取得しています。

書き直せるボールペン「フリクションボール」
株式会社パイロットコーポレーションから発売の、ボールペン「フリクションボール」シリーズ。
一度書いた文字を消して何度も書き直せる今までにないボールペンとして2007年に発売され、その後も人気の大ヒット商品です。
消せるボールペン、今では当たり前の存在になっていますが、発売当時は驚きました!。
フリクションボールは消した上からも全く問題なく書き重ねられるのが画期的!。
ペン先のラバーで紙をこするとインクが消えるというのも、シャープペンシルと同じで大変便利!
また、ラバーで擦っても消しカスが出ないので素晴らしい。
但し、正式な文書、公式な文書に文字を書く場合には、向きません(使用不可)のでご注意下さい。
フリクションボールの特許についてご紹介
フリクションボールは、特許と商標権を取得しています。
特許の発明名称は「可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料」、出願人は「パイロットインキ株式会社」です。
フリクションボールのインクには、温度変化で色が変化する「メタモインキ」が使用されています。
インクをラバーで擦った際に摩擦熱が生じることで、インクが無色に変化し、消えたように見えるという仕組みです。
フリクションインキは60度以上になると(ペン先のラバーで紙をこすると)無色になり、マイナス10度以下になるともとの色が復元し始め、マイナス20度前後になると完全に色が戻るという特性をもっています。


トンボ鉛筆のハイテクボールペン「エアプレス」
トンボ鉛筆から発売されている加圧ボールペン「エアプレス」。業界初のノック式加圧ボールペンとして話題となりました。
エアプレスは商品そのもので特許を取得しています。特許番号は第4309443号、発明名称は「加圧ペン」です。
従来の加圧ペンよりも、圧縮室の気密性が高まることで、耐久性が向上しています。
壊れにくく、上向き使用でもインクが切れずスムーズに書けるため、工事やスポーツなどの現場でも多く採用されています。
エアプレスは上記の特許の他、ノックやリフィルの交換機能に関する特許を2つ取得しています。

軽い力できれいに引ける!トンボ鉛筆の修正テープ
最後に紹介するのもトンボ鉛筆の特許です。トンボ鉛筆は軽量タイプのテープのり「ピットエアー」をはじめとした修正テープやテープのりを開発しています。
こちらの商品群は、均一に力をかけられることで、きれいにテープを貼ることができるのが大きな特徴です。
特許を取得しているのは商品本体です。特許番号は第6633692号、発明名称は「塗膜転写具」です。
従来の商品は、テープが途中で切れてしまったり、テープが密着し切れず使用後に剥がれてしまうなどの問題があり、これを解決しています。
本商品では、転写ヘッド部分の押し当てる力が均一に調整されることで、従来よりも軽い力でテープを確実に密着させることが可能となっています。
テープが転写ヘッドから外れてしまった際に、使用不能になってしまう問題点も解消。

プラズマクラスタードライヤー
シャープから発売されているプラズマクラスタードライヤーシリーズ。
髪を乾かしながら、頭皮ケアもできる美容家電です。
商品そのもので特許を取得。特許番号は5898465号、発明名称は「ヘアドライヤ」です。
髪を乾かすための温風と同時に、イオンを含んだ風を送風することで、髪のトリートメントケアを行います。プラズマクラスターの得意とする所ですね。

ワンランク上の炊き加減!三菱電機の炊飯器「本炭釜」
三菱電機から販売されている炊飯器「本炭釜」。
本物の炭の内釜で、大火力で炊き上げる。
木炭や竹炭とは異なる炭素材料(純度99.9%)を使用。
独自の技術である連続沸騰でお米をふっくら炊き上げる炊飯器です。
本炭釜は商品そのもので特許を取得しています。特許番号は第4611415号、発明名称は「加熱調理器」です。
従来の炊飯器は、調理容器内が沸騰温度に達した際、温度維持や吹きこぼれ防止のため、温度を制限させる機能がついているのが一般的でした。
この炊飯方法だと、お米に均等に熱が行き渡らず、ご飯がふっくら炊きあがらなかったり、炊き上がりにムラが発生することがあるのが問題点でした。
炭の大熱量で粒立ちよく炊き上げる
- 粒立ちのよいごはんを炊き上げるための秘密
- (1)「本炭釜」×「八重全面加熱」
大火力で激しい熱対流を起こし、お米の芯まで熱をしっかり伝えます。 - (2)「熱密封かまど構造」×「特許・連続沸騰※3」
強い火力での連続沸騰が可能になり、さらにお米のうまみを引き出します。
- (1)「本炭釜」×「八重全面加熱」
※3登録日2010年10月22日。連続沸騰を実現する手段となる独自の制御において特許を取得。特許番号:第4611415号

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