シジュウカラは「ヂヂヂヂ」と鳴いて餌がある場所を仲間に知らせ、「ジャージャー」と天敵のヘビの襲来をヒナに知らせる。独自の言語があり2語以上を繋ぐ文法も持つ。
動物言語学者・鈴木俊貴さんのこの発見は世界を驚かせた。
「これまで言語は全ての動物の中で、人間だけが持つ特別な力だとずっと信じられてきたからです」
Contents
✅この記事でわかること
- 北海道大学・鈴木俊貴さんの最新研究内容
- シジュウカラが「文法」を使っているという発見の意味
- 言葉を話す動物は人間だけではなかった?
🐦シジュウカラが「言葉」を使っていた!?研究の概要


「ピーツピーツ」「ヂヂヂ」――
一見するとただの鳥の鳴き声に聞こえるこれらの音に、実は意味があるとしたら驚きですよね。
北海道大学の研究者・鈴木俊貴さんは、野鳥「シジュウカラ」が言語的なルール=文法に従って鳴き声を組み合わせていることを世界で初めて明らかにしました。
これは「人間以外の動物が文法的な言葉を使う」ことを初めて科学的に示した、非常に重要な発見です。
🧑🔬研究者プロフィール:鈴木俊貴さんとは?
- 所属:北海道大学大学院 准教授
- 専門:動物の音声コミュニケーション
- 主な研究テーマ:野鳥の「ことば」に似た鳴き声の使い方
- 研究スタイル:野外観察+音声解析を組み合わせた実証型
🐤そもそも、シジュウカラってどんな鳥?
- スズメと同じくらいの大きさで、白・黒・黄のカラフルな体
- 日本全国の公園や森でよく見かける身近な鳥
- 群れで生活し、仲間同士で鳴き声を使い分ける高い知能を持つ
🔍研究のポイント:鳴き声の「順番」で意味が変わる!
鈴木さんの研究で注目されたのは、シジュウカラの以下の2つの鳴き声:
- 「ピーツピーツ」=警戒の鳴き声(敵が来た!)
- 「ヂヂヂ」=仲間を呼ぶ鳴き声(こっちに来て!)
この2つを「ピーツピーツ → ヂヂヂ」の順番で組み合わせると…
「敵がいるから、こっちに集まれ!」という複雑なメッセージに!
しかし、「ヂヂヂ → ピーツピーツ」の順番にすると仲間は反応しないという結果に。
これはつまり、
✅ 順番=語順によって意味が変わる
✅ 鳥が「文法」のようなルールを理解している
という驚くべきことを示しています。
🌍なぜこの発見が「世界初」なの?
これまで「言葉(言語)」は人間だけが使える能力と考えられてきました。
しかしシジュウカラの研究で分かったのは、
- 「意味のある音声」を
- 「文法ルール」に従って
- 「組み合わせて使う」
という、言語に欠かせない3つの条件をすべて満たしているということ。
このような例は動物界では世界で初めての発見です。
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🐦 シジュウカラが飛ぶ・暮らす場所
✅ 基本的には「森」や「林」に多いです
- 雑木林や落葉樹の森:ドングリや昆虫が豊富で、巣を作る木のうろ(穴)も多いので理想的な環境。
- 山のふもと〜低山帯の森林:標高の高すぎない山地にある自然林によくいます。
🏡 実は都市部にも!
- 公園・神社・庭木が多い住宅地:都市部でも、木が多ければ姿を見かけることが多いです。
- 庭のバードフィーダー(野鳥用のエサ台)にもよく来ます。
✈️ シジュウカラの行動範囲は?
- 普段は、あまり遠くまで移動せず、なわばり内を飛び回る「留鳥(りゅうちょう)」です。
- ただし、寒冷地では冬に少し標高の低い場所へ移動することもあります。
🌸 季節によって変わる場所
季節 | 行動・いる場所の特徴 |
---|---|
春〜夏 | 巣作り・子育てで林の奥にいることが多い |
秋〜冬 | 食べ物を求めて人里近くの公園や庭にも来る |
💬鈴木俊貴さんのコメントより
「私たちは“ことば”を人間だけの特権だと思ってきました。でも動物たちの鳴き声にも、実は文法や意味があることが分かってきました。自然界にはまだまだ面白い発見が眠っていると感じます。」
📰 インタビュー掲載媒体
1. クロワッサン オンライン
- 記事タイトル:『僕には鳥の言葉がわかる』著者、鈴木俊貴さんインタビュー「言葉は人間だけのもの、というのは思い込みでした」
- 掲載日:2025年4月14日
- 内容:動物言語学の創設や、言葉が人間だけのものではないという視点について語られています。クロワッサン オンライン
2. ブッククラブ回
- 記事タイトル:鳥たちの言葉を求めて
- 掲載日:2022年8月
- 内容:長野県・軽井沢の森でのフィールドワークや、シジュウカラの鳴き声の観察・解析について紹介されています。NEWSポストセブン+2ブッククラブかい+2ブッククラブかい+2クロワッサン オンライン+2ブッククラブかい+2ブッククラブかい+2
3. 東京すくすく(東京新聞)
- 記事タイトル:鳥の言葉は君にもわかる 世界で初めて「シジュウカラ語」を解明した動物言語学者・鈴木俊貴さんインタビュー
- 掲載日:2025年2月18日
- 内容:シジュウカラの言語解明に至るまでの研究過程や、動物言語学の可能性について語られています。クロワッサン オンライン+2東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞+2東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞+2
4. NEWSポストセブン
- 記事タイトル:【対談】『僕には鳥の言葉がわかる』著者・鈴木俊貴氏と自らの小説に“鳥の言葉”を登場させた川上弘美氏が語り合う「動物言語が切り拓く未来の可能性」
- 掲載日:2025年4月3日
- 内容:小説家・川上弘美氏との対談で、動物言語がもたらす未来の可能性について議論されています。NEWSポストセブン
📝まとめ:身近な鳥にも「言葉のチカラ」がある
- シジュウカラは「警戒」「集合」などの意味を組み合わせて伝えている
- その順番には「文法ルール」があり、人間の言語と似た仕組みがある
- 言葉を話すのは人間だけではなかった!
私たちの身近な自然には、まだまだ驚きの発見が眠っているのかもしれません。
今度シジュウカラの声を聞いたら、少しだけ“言葉”に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
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